「伝えたい」を伝わる形に。 株式会社高速オフセット

【株式会社類設計室様との共創活動レポート】「紙の可能性」について子どもたちと探求しました!

2025.11.10

類塾×高速オフセット 共創活動

株式会社類設計室様(以下、類設計室)では、大阪府内中心で学習塾「類塾プラス」を運営されています。今回は、類塾プラス様が学習塾としていち早く2016年より開始した「探求講座」に、共創活動として高速オフセットが参加いたしました。

本記事では、7月末から約2か月をかけて取り組んだ活動の振り返りと、共創により新たに掴んだ「印刷業界の可能性」についてレポートします!ぜひ最後までご覧ください♪

 

類塾プラス 探求講座とは…
この講座では、教科学習で得た知識を活用しながら、社会に目を向け、歴史認識や現代の社会課題について仲間と探究します。この学びを通して、子どもたちは「なぜ学ぶのか」「将来どうなりたいのか」といった問いに向き合い、進路選択や勉強の意味について深く考えるように。

また、その過程で見出した気づきや意見は、思考力が試される大学受験以降においても大きなアドバンテージになるはずです。現実社会にあふれる「何?」「なぜ?」の問いを見つけだし、仲間とともに課題と答えを導きだす。そんな探究力を伸ばすための環境をご用意しています。
(引用:探求講座|類塾プラス-大阪の学習塾

「探求講座」類塾プラス×高速オフセット 共創活動の概要

「社会・しごと探求」
として、彩都教室と茨木教室の2教室を担当。全9回の授業のうち各教室3回の授業で参加させていただきました。

対象学年:小学3年生~高校3年生
受講人数:彩都教室:21人、茨木教室34人

類塾×高速オフセット 共創活動 

※高速オフセットは①⑤⑧の授業で参加

テーマ「紙の可能性」って、なんだろう?

今回の探求講座の課題を考えるにあたって、類塾プラス様から「高速オフセットさんが現在、課題に感じていることを一緒に子どもたちに考えてもらいたい。子どもたちには、高速オフセットの社員になったつもりで取り組んでもらおうと考えています!」とお話しをいただきました。

昨今の印刷物の減少は顕著な中、高速オフセットでは「誰かの『伝えたい』を『形』に残せる仕事」として、企画からデザイン、印刷まで一貫でできることを強みとしています。

課題の内容は、類塾プラスの方と一緒に検討していった結果、デジタルネイティブかつAIネイティブでもある、日本の将来を担う子どもたちにとって
・「紙」はどういう存在なのか、「紙」は今後どうなっていくのか
を自由な発想で考えてもらうことにしました。

加えて、25年度の未来に向けた授業も展開することに。
2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、高速オフセットではサステナブル紙の中で特に「バナナペーパー(One Planet Paper®)」に力を入れています。
・バナナペーパーの認知を高め、使い続けてもらうにはどうしたらいいか?
これらの2つの視点から「紙の可能性」について探求講座を進めることに決めました。

類塾×高速オフセット 共創活動
※高速オフセット スライドより

印刷会社について知る・紙ついて考えてみよう

初回の授業では、高速オフセットについてどんな印刷物の仕事をしているのかの説明とテーマである「紙の可能性」の課題提示を行いました。

新聞やチラシ、カタログ、ポスター、パッケージなどの印刷物を印刷しているだけではなく、等身大パネルやアクリル、木など、「印刷」と一言でまとめても様々なものができるんだということに、子どもたちは興味津々。さらに、高速オフセットが力を入れている環境対応印刷の話になると、FSC®認証紙やバイオマスインキのマークを見て「このロゴマーク、見たことある!」という嬉しい声も飛び交いました。

後半では、高速オフセットのオリジナル教科書「紙図鑑」を使って様々なサステナブル紙を紹介。見て、触って、様々な理由で生まれた「紙」の世界を学びます。そして、サステナブル紙の中でも高速オフセットが特に広めたい「バナナペーパー」についても紹介しました。

類塾×高速オフセット 共創活動

身の回りにある印刷物って?紙とデジタルの使い分けを考えてみよう

全9回のうち2~4回目の授業では、類塾プラスの生徒の皆さんで身の回りにある印刷物について調べてもらいました。普段の生活の中で、印刷物について考える時間を作ってもらいます。

類塾×高速オフセット 共創活動

新聞、教科書、ノート、お菓子のパッケージ、紙ストロー、チラシ、パンフレット、ポスター、カード(ゲーム)、包装紙、投票用紙、カレンダー、名刺、チケット…
など、様々な意見が出ていたようです!

次に、

「①紙のほうがいいもの・デジタルのほうがいいもの」
「②30年後、世界から紙がなくなったら世界はどうなる?」
「③30年後に発明される紙の新商品を創造してみよう」

の中から各班ごとに選んでいただきました。
をテーマにチームに分かれて考えてもらいます。

5回目の中間発表の授業は高速オフセットも参加し。子どもたちはチームに分かれ、①②どちらかのテーマを選んで発表してもらいました。

【発表内容】※一部抜粋

①紙のほうがいいもの・デジタルのほうがいいもの

「紙」に対する意見
・手紙やメッセージなど思い入れがあるもの、残したいものは「紙」が良い。
・勉強には紙がいい!その方が記憶に残るから。研究結果も出ている。
・紙は「折れる」ので、作品が作れる
・思い出は紙で形に残しておきたい
・紙は目が悪くならないし、充電も必要ないのでもしもの時の備えに良い
・紙は残るから、データの損失を気にするリスクが少ない

「デジタル」に対する意見
・一度にたくさんの情報量を伝えたいときに良い
・何度も書き直したいときはデジタルが良い
・デジタルのほうが速く、効率的だ
・かさばらないし、軽い!便利だし、なんだかカッコいい!
・情報を長い時間保管することができる
・音が出して情報を伝達することができる

②30年後、世界から紙がなくなったら世界はどうなる?
紙がなくなると、木が増えすぎる可能性が出てくる。
・デジタルの欠点をもろに受けることになってしまう。
・巻物、和紙など日本の紙の伝統工芸の技術を失うことになる。

③30年後に発明される紙の新商品を創造してみよう
・デジタルと連動して、思ったことがすぐ紙に描かれる紙
・災害の際に使えるもの。例えば「船になれ」と命令したら船になる
・電車の外装に使われる

発表時はみなさんドキドキしながらでしたが、しっかり私たちの目を見て、堂々と自分たちの考えた意見をプレゼンしていました。

そして、生徒さんの意見には驚かされるばかりでした!
特に「勉強には紙がいい!その方が記憶に残るから」という意見。これは毎日、紙の教科書やノートを使って書いているからこそだと感じました。

また、デジタルに関しても、子どもたちはタブレットを使って調べものをしていました。だからこそ、情報をたくさん得られるデジタルの良さを知っているのだと思いました。

子どもたちの中では紙orデジタルという二項対立ではなく、違うツールとして使い分けているという印象が強かったです。

類塾×高速オフセット 共創活動

中間発表の最後では、高速オフセットは「紙」「デジタル」どちらもサービスとして取り扱っていること。そして、高速オフセットはお客様の課題に応じて「紙・デジタル」の最適な提案しているということをお伝えし、両立して使い分ける力を持つということが大事だということを伝えました。

バナナペーパーの認知を高める!展示会企画を考えてみよう!

さて、いよいよ授業は最終課題に向けて後半戦です。

ここまでの授業とは打って変わって、6~7回目の授業では「バナナペーパーの認知を高める」ための企画を考えてもらいました。

まずは、バナナペーパーについて自分たちで調べるところから。
・日本唯一のフェアトレード紙
・SDGs17項目全てが達成できること
・ザンビアのバナナの茎であること 

―など、基本知識から深い部分まで、自分たちで調べてもらいました。

そして、いよいよ最終課題です。

テーマは「高速オフセットではバナナペーパーを広めるために展示会に出展予定です。バナナペーパーを広めるために、展示会でどういう企画にするとブースに立ち寄ってもらえるでしょうか?」を問いかけました。

子どもたちにとって「展示会」という活動は馴染みのない言葉。ちょっと難しいテーマですが、あえて企業の活動をぶつけ、現実社会の活動と向き合ってもらいました。

共通認識としては、来場者ターゲットを「学生または企業」とし、
Ⓐ展示する企画
Ⓑ展示会で配布するもの という観点で考えてもらいました。

8回目の授業では、各チームに分かれて高速オフセットへ発表をしていただきました。

類塾×高速オフセット 共創活動

生徒さんの発表の内容を一部紹介します!

【発表内容】※一部抜粋

・バナナの形をした「バナナおみくじ」を作って来場者に配布します!裏面には、高速オフセットの理念や、SNSアカウントを掲載します。バナナペーパーに触れてもらうことで記憶に残してもらうきっかけ作りに繋げます。

・展示ブースでは、バナナの木をビジュアルにデザインしインパクトのあるブース作りを行います!また「バナナペーパーの可能性」をキャッチコピーとしてバナナペーパーの魅力を知るブースにします。

「バナナペーパー博士になろう!」をキャッチコピーに、ブース内はクイズ形式で進める形にします。クイズをすることで記憶にも残りやすいと思います。また、最後には来場者アンケートをとることで、企業の今後の活動に生かせればと思います。特典としてバナナペーパーのメモ帳をお渡しし、日常の中にバナナペーパーを自然に溶け込ませるように使ってもらえればと思います。

・バナナペーパーを使って「未来の自分に手紙を書いてみよう!」という企画を行います。バナナペーパーはすごく書き心地がいいので、書くことで記憶に残ると思います。また、寄せ書きアートも子ども向けには良いと思います。みんなでバナナペーパーを使うことが「体験」に繋がり記憶に残すことができます。ブースでバナナペーパーに試し書きをするという企画も考えました。

・バナナペーパーの生産者の動画を作り、ブースで流すという企画を考えました。ザンビアでは貧困が課題であり、バナナペーパーを使うことが生産者に還元できる。生産者、家族、誰かの人生をバナナペーパーで変えることができるということを動画のストーリーとして描きたいです。現地の人へのメリットを伝えるだけではなく、バナナペーパーを使うことが企業のブランドイメージ向上や、株主からの支持を得れる、という効果も期待できます。今後の展開としてはこの動画を国際会議などでも用いればと思います。

類塾×高速オフセット 共創活動

など、様々視点でのアイデアがありました!「バナナペーパー」という1枚の紙を通して、自分で調べ、チームで話し合うと、こんなにもたくさんのアイデアが出ることに驚きです。

キャラクターを考えてくれるチームもありました。

類塾×高速オフセット 共創活動

高校生のチームは、用意する部数、デザイン、配布方法、そして何よりも展示会に出展する私たち(高速オフセット)が得られるメリットも具体的に考えてくださり、すぐにでも実施できそうな企画がありました!

また、小学生の子たちを含めた生徒全員が「自分たちが本当にこのブースに立ち寄ったら楽しいか?面白いと感じるのか?」までを考えて企画してくれたことも印象的でした。

類塾×高速オフセット 共創活動

印刷物の魅力を発信するアイデアはまだまだ無限大!

約2か月を通して、生徒の皆さんに「紙の可能性」を一緒に考えてもらいました。
最終課題発表を聞くと、私たち高速オフセットが得られたアイデアがたくさん。何よりも、新しいことを考えよう!とする、子どもたちのエネルギーに圧倒されました!

●生徒さんの感想
・初めて、会社としての企画を考える中で、アイデアを出すことは容易ではないことが分かりました。(中3)
・紙は木以外からも作られることを初めて知った。(小4)
・企業の人にプレゼンする時に、どんな内容で、どういう風にしたら聞き手に興味をもってもらえるのかを考えるのが難しかった。(中2)
・企画を考える中で、バナナペーパーがザンビアの人々の生活を支えていること、日用品にもバナナペーパーが使えることを知った。(小6)
・初めて企業の方と関わったことで、人と関わる力が成長したと思う。(小4)
・企画を考えることの難しさ、楽しさ、そしてプレゼンの仕方などを学ぶことができた。いろいろなアイデアを出すことが楽しかった。(中1)
・今、世界で何が起こっているのか、それを踏まえてどうのように工夫して解決していくかが重要だと感じた。貴重な体験ができました。(中1)

類塾プラス 担当講師の方からの感想

彩都西教室 講師の方

社会のリアル・社会と繋がる事で、生徒達は普段とは違う真剣な顔で取り組み、発表をしていました。入試制度をはじめ、教育業界も大きな変化をしている中で、類塾プラスとして時代に負けない活力ある生徒を育成していきます。

茨木教室 講師の方
私にとっても生徒たちにとっても、『企業の課題』を担うという初の体験となりました。生徒たちが課題に取り組む姿勢は、今までに見たことのないほど積極的で、一生懸命、かつ楽しそうに取り組んでいる姿が大変頼もしく感じられました。
今回の取り組みを通して、生徒たちが社会を生き抜く上で必要な力が何なのかを考えるきっかけになったと感じております。その力を、私ども類塾プラスとして今後も育んでまいります。

高速オフセットでは、これからも「伝えたいを伝わる形に」をキャッチコピーに、印刷物を通してサステナブルな社会形成に貢献していきます。

この度は、このような共創活動の機会をいただきました株式会社類設計室の皆様、誠にありがとうございました。

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