
東京都内で活動されている、こどもエコクラブ。この度2025年10月18日(土)に開催された、「第7回こどもエコクラブ」にて、サステナブル紙啓発プロジェクトチーム「KAMIKEN」スタッフがワークショップ講師として登壇いたしました。
ワークショップでは、子どもたちの素直な感情で「『自分の好き』を選び・知ること」を大切に進めていきました。本記事では、ワークショップの内容と当日の様子をレポートいたします!ぜひ最後までご覧ください。
ワークショップの概要
※高速オフセット 投影スライドより
テーマ:紙とSDGsものがたり
日時:2025年10月18日(土)14:00~16:00
実施場所:東京都内
対象学年:小学4~6年生
当日参加人数:計16名
サステナブル紙に見て・触れて・考える
今回のワークショップ企画を考えるにあたり、「高速オフセットがサステナブル紙を啓発するプロジェクトKAMIKEN事業をベースに考えてほしい。また、サステナブル紙の紹介とその中でもバナナペーパーをピックアップして企画してほしい」とお話をいただきました。
KAMIKENが取り扱うサステナブル紙は、バナナペーパー(One Planet Paper®)をはじめ、FSC®認証紙、kome-kami、東北コットンCoC、タンザニアコットンCoC、小豆殻CoCなど多くございます。それぞれの用紙1つ1つには、用紙誕生に込められた想いがあります。この想いを伝えていくべく、今回のテーマは「紙とSDGsものがたり」としました。
また、子どもたちにはワークショップ終了までにとある「ミッション」を設定しました。
それは、ワークショップ終了時に「みんなで紙けん博士になること!」
※紙けん博士とは、紙研究所の博士の略称。紙研究所とは子ども向けのサステナブル紙啓発プロジェクト名。

ミッションは、なんと3つ!子どもたちはワークショップ内で3つの挑戦を行い、クリアすることで「紙けん博士」になれるという企画です。
スケジュールはこのような感じです。

話を聞いてもらう「知る・学ぶ時間」と、ワークシートを使って「考える時間」、そして最後にはバナナペーパーを使って自分だけのノートをデザインする「体験する時間」に分けて進めていきました。
知る・学ぶ①(印刷物とエコな紙)
初めのテーマでは、高速オフセットがどんな印刷物の仕事をしているのかという説明と、紙研究所オリジナル教科書「紙図鑑」を使って様々なサステナブル紙を紹介しました。

紙それぞれが持つ質感を実感した子どもたちは、
・小豆の殻で用紙ができるの?
・クラフトビールペーパーはなんだか、他の紙に比べて硬い!
・バナナペーパー知ってる!
・ノートでFSC®認証紙のラベルを見たことがある!
・石でできる印刷素材もあるの?
など、様々な意見がでました。
また、紙を何度も折り紙のように折って、強度を検証してみる子や、
家に帰ったら、紙を切って紙に混ぜられた素材を分解してみたい!という面白い発想も。
新しい物に出会ったときに生まれた子どもたちの疑問と、もっと知りたい!という思いの強さに驚かされました。
考える①(紙の観察記録をつけよう)
次は、ワークシートを使って「紙の観察記録」を付けてもらいました。

7種類のサステナブル紙から、自分が気に入った用紙を1枚選びます。
その用紙と紙図鑑を使って、
・元になっている素材は何か?
・質感はどんな感じか?
・色は何色か?
・お気に入りレベルとお気に入りの理由
・どんな商品(印刷物)に使えそうか?
を考えてもらいます。

選んだ1枚の紙は用紙の上の段に貼ります。

紙図鑑を見ながら書き進めます。お気に入りの理由と、どんな商品に使えそうか、という部分が少し難しかった印象。みんなとてもよく考えて書いてくれました。
最後には、グループ内で発表しあいました。

お気に入りの理由は一人ひとり違う意見があってとっても面白かったですよ。
・バナナの茎から作ることでゴミを減らすことができるから(バナナペーパーを選択)
・ちょっとざらざらしているけど、すべすべもしていて触り心地がとてもいいから(小豆殻CoCを選択)
・水に濡れても破れないから(LIMEXを選択)
など、用紙が何に貢献しているのかという観点から選ぶ子もいれば、質感やさわり心地、機能面で選ぶ子もいました。

これで紙けん博士までの「ミッション1」達成です!(拍手)
知る・学ぶ②(バナナペーパーの世界)
次は、紙図鑑の中でもSDGs17項目全てを達成できる用紙である「バナナペーパー(One Planet Peper®)」に着目して、さらに深く説明を聞いてもらいました。
こどもエコクラブの子どもたちは、実はバナナペーパーを使ったシールや紙ファイルなどをプレゼント品としてもらったこともあるようです。
ですが、バナナペーパーの元となるアフリカ・ザンビアの方々の生活や、そこに暮らす動物たちの様子を知ることは初めて。今回は、バナナペーパー工場のあるザンビア現地の様子を中心にお伝えしました!
まずはじめに質問したのは、「バナナペーパーの元となる『バナナの茎』ってどこ?」という質問。
子どもたちには前に出てきてもらって、クイズ形式で答えてもらいました!
とってもたくさんの手があがり、みんなそれぞれ自分の思う「バナナの茎」を教えてくれました。

★バナナの茎がどこか?バナナペーパー工場について詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください

実際のバナナの茎にも触ってもらいました!
・え!硬い!
・なんだか匂いがする~!
・パサパサしている!
などいろんな感想が出ました。
その他にも、
そもそもザンビアはどこにあるのか?
ザンビアに行くまでにどのぐらいの時間がかかるのか?
ザンビアへ行ったときに見た動物たち
ザンビアの人々の生活についてを問題を交えながら写真と一緒に話しました。

特にバナナペーパー工場のあるザンビア・エンフエ村では、干ばつの影響で作物が育たないこと、そしてそもそも仕事がない、ということから発生する貧困問題が深刻です。
バナナペーパー工場があることで、エンフエ村では雇用が生まれます。雇用が生まれると資金ができ、水を汲む井戸を作ることができます。こういう風に、どうしてバナナペーパー工場の仕事が必要なのかという部分をしっかりと伝えました。
考える②(バナナペーパーとSDGs)
ザンビアの方々の暮らしにとって、バナナペーパー工場がどれだけ重要か理解してもらったあとに、ワークシートを使って「バナナペーパーとSDGsの関係」について学んでもらいました。

このワークシートには、SDGs17項目がバナナペーパー工場とどうかかわっているのかが記載されています。選択肢シートを使って、空いている場所を子どもたちに埋めてもらいました。
例えば、
・「バナナペーパー工場は100%太陽光発電で電気をつけています。」という選択肢はSDGsの7番「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」に当てはまります。
・「バナナペーパー工場のおかけで子どもが大学まで通うことができました。」という選択肢はSDGsの4番「質の高い教育をみんなに」に当てはまります。
関連する写真も入れることで、お家に帰って復習するときもザンビアの様子が頭に残りやすいように意識しました。
最後には答え合わせをしました!が、ほとんどみんな全問正解!
これには本当に驚きました!

これで、これで紙けん博士までの「ミッション2」達成です!(拍手)
体験する(お楽しみ●●●作り!)
ついに紙けん博士までの最後のミッション!
最後はお楽しみ企画として「バナナペーパーノート作り!」を企画しました。

まずは、A5サイズのバナナペーパーを配ります。表紙と裏表紙はバナナペーパーの中でも最も分厚い350g/㎡(茎繊維配合率5%)、本文は100g/㎡(茎繊維配合率20hPa)を使います。
まずは51%紙が配合されたエコリングを使って3か所を止め、子どもたちにノートを作ってもらいます。

小学4~6年生のみなさんにとっては、ノート作りは簡単にできていました!
この後はいよいよお楽しみ。表紙・裏表紙を自由にデザインしていきます。
準備物として、アフリカの伝統柄の布と

動物やザンビアの人々を描いたイラストのバナナペーパーシールを用意。

みんな黙々とデザインを進めていきます。

たっぷりとシールを使ってザンビアの村の様子、野生動物が暮らすサバンナの世界観を作りあげたり、布を「自分の名前(ひらがな)」の形に切って貼ったり。
アフリカ布の柄を大きく切って重ねて貼り合わせたりと、様々なデザインができました。

さらに、アフリカ布を貼らずに、アフリカ布の柄をペンを使って描くという発想も!
私たちがびっくりする斬新で素敵なデザイン案がたくさん生まれていました!
▲(左)シンプルな縦ラインアフリカ柄がおしゃれ!(右)葉書風のデザイン!「高速オフセット」と当社社名も入れてくれて嬉しい♪

最後には、どういう想いでデザインしたかを発表してもらいました。一人ひとり違うデザインだからこそ、他のお友達がどういうものを作ったのかを知るのもとっても面白いですよね。
これで、これで紙けん博士までの「ミッション3」達成!

最後には、「これで紙けん博士になれた!」と喜んでくれる子もいました。
ワークショップのまとめ
2時間とあっという間の時間でしたが、こどもエコクラブの皆さんとサステナブル紙について学び、バナナペーパーを深く知り、ノートづくり体験、そして紙けん博士になるという目標達成まで一緒に過ごすことができました。
特に、「紙」の観察記録やバナナペーパーノートづくりは、子どもたち一人一人の個性がでる時間で、私たちの想像を超えてくる発想が刺激にも繋がりました!
自分の好きを選び、知り、他のみんなの好きも含めて学ぶこと。そんな時間になっていたら嬉しいと感じます。
高速オフセットでは、これからも印刷物を通してサステナブルな社会形成に貢献していきます。
この度は、このようなワークショップの機会をいただきました、こどもエコクラブの皆様、誠にありがとうございました。
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