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T目とY目の話~来年の自由研究は紙の目で決まり!~

2022.09.09

さて、本日は“T目”と“Y目”のお話です。
印刷会社・製本会社・製紙会社の人は勝手に頭の中で「たてめ」「よこめ」と変換したことでしょう。 そう、T目とY目とは印刷にまつわる単語なのです!今回のコラムでは用紙の流れ目について紹介いたします!

用紙の目って!?

目の前にある紙を縦でも横でも破ってみてください。綺麗に破れる方向があるのではないでしょうか。それが紙の流れ目となります。紙の繊維の向きを表しています。

紙目に対して折る方向が一致していると順目、逆だと逆目といいます。
ときどき、町で見かけるリーフレットやチラシなど、逆目で折られているものがあります。
悪い良いではなく、「なにか理由があったのかも・・・?」と考えると楽しくなりますよ。ぜひ意識して町の印刷物を見てみてくだい。

疑問太郎くん

「破れやすい方は分かったけど、どっちが縦でどっちが横なん!?」

 

  その質問お答えするには、少しだけ紙についての知識がいりますね。解説していきます!

紙の流れ目の見分け方は奥が深い!

紙目の見わけるポイントはズバリ、「全紙」!

印刷会社が使う用紙は全紙といって、大きい用紙サイズかトイレットペーパーのようなロール状で納品されます。この全紙状態の用紙がT目(縦目)かY目(横目)かで、そこからできる冊子やチラシの目の流れが決まります。

お客さまの作りたいものに合わせて、印刷会社は紙を発注しているんですね。

そしてなぜ印刷会社が用紙の目を気にするのかというと、

製本の折り方によってT目の用紙を発注するのかY目の用紙を発注するのか考えないといけないからなのです!

(案件によっては紙の目と印刷の絵柄のインキの流れまで気にすることもあるのですが、こちらのお話はまた今度。)

紙の目は全紙において、長辺に沿って流れているのがT目(縦目)・短辺に沿って流れているのがY目(横目)となります。

T目とY目ができるには。

先ほど、用紙は「大きいサイズかトイレットペーパーのようなロール状で納品される」とお伝えしましたが、元々すべての紙はロール状にできていて、紙の流れ目は一定方向なのです。
その紙をサイズごとに切断することによって、T目の紙、Y目の紙が生まれるのです!

さて、T目とY目の起源が分かったところで、話を戻しましょう。
印刷会社がリーフレット等を受注した際にどうやって紙の目を考えるのか、

 

下記の4コマ漫画をご一読ください。

※丁付けとは、全紙(印刷用紙)に印刷したい印刷物のデータを並べて配置すること。

 

印刷会社は見積もりの際、全紙において1番丁付けが多い向きでどちらの目に沿って折られるかを考えて紙を発注しています。
印刷通し数が減り、金額を安くご提案できるからです!

 

紙は「生き物」!?

印刷会社に勤めていると、一度は聞いたことあるフレーズです。「紙は生き物だから」。

疑問太郎くん

「さすがに紙は生きてへんやろ!?」

生きていないです。生きていないのですが、紙って湿度・気温によって伸び縮みするんですよ。その様子を「生きている」と表しているのです。
湿度が高いと水分を吸って伸びてしまい、紙が波打つ「波打ち現象」も起こります。
印刷会社としてもできる限り防止策を練ってはいるのですが、どうしても波打ち現象や紙の伸び縮みは完全に防ぐことができません。
ね?紙って生きているみたいでしょ。もし生き物だったら、相当神経質かもしれませんね。

最後に

いかがでしたでしょうか。
知らない人にとっては「紙の目なんてどっちでもいいのでは?」と思ってしまうかもしれませんが、実はコストや耐久力に関わってくる、大切な知識なのです。

高速オフセットでは、総合印刷会社として、入社した営業マンは必ず印刷の知識を一通り覚えます。お客様の大切な商品を、無駄なコストを出すことなく、品質のクオリティを上げるためです。

疑問太郎くん

「来年の自由研究にするわ!!」

印刷物に関して何かお困りのことやご相談したいこと、また聞いてみたいことがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください!

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