石灰石でできた素材「LIMEX(ライメックス)」はご存知でしょうか?
高速オフセットでは、『地球に優しい素材を選んで、お客様に使っていただくために』、ラインナップとしてLIMEX(ライメックス)のお取り扱いを2023年6月より遂にスタートいたしました!
こちらのコラムは、読んでいただいている皆様に「LIMEXを選ぶ理由」を知っていただけるように書き進めています。「LIMEXとは?」という概要から、リサイクル・廃棄方法や、おすすめの商品例などを解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
石灰石を主原料とするLIMEXとは?
LIMEXとは、日本の地質学上、石油や水資源と比べて豊富な石灰石を主原料としたプラスチックや紙の代替とされる新素材と言われています。また、他の単一素材と同じようにマテリアルリサイクルに適した素材でもあります。
LIMEXの原料構成は、50%以上(重量比)が石灰石由来の炭酸カルシウムなどの無機物で、残りは熱可塑性樹脂と各種添加剤です。
(参照:LIMEX事業とは|株式会社TBM)
その石灰石、豊富といってもどのくらい日本に存在するのでしょうか?
LIMEX素材の販売元である株式会社TBM様の公式サイトによると、
LIMEXに使用する石灰石の量は、国内石灰石出荷量の0.01%
(参照:石灰石|新素材LIMEXの主原料‐株式会社TBM)
とのこと。
国内の石灰石の出荷量(2021年)1億2,623万tあり、そのうちの0.01%である「1.8万t」をLIMEX素材として使っています。
と言いつつ、出荷量の数字が大きすぎて、正直想像がつきませんね・・・。
ではもう少し、LIMEXの特徴について深堀りしていきましょう。
LIMEXのどこが環境に配慮しているのか?
LIMEXには主に3つの環境に配慮している点があると言えます。
①製造時に水使用量を約97%※削減できること。
※他の用紙と比較した時の数値。計算値であり保証値ではありません。
②LIMEX Sheetは、実質「100%再生可能エネルギー」「CO2排出係数ゼロ」の電力で製造されていること。
③マテリアルリサイクルが可能なため、地球の循環型社会を見据えて作られた素材であること。
以上の3つの中でも、特に高速オフセットが注目するメリットは「③の循環型社会を見据えて作られた製品」であることです。LIMEXのどこが循環型社会なのかというと、使用済LIMEXと廃プラスチックを回収し、再資源化するリサイクルシステムを構築している点です。
TBMが運営する国内最大級のリサイクルプラント「横須賀工場」では、使用済LIMEXと併せて廃プラスチックも回収し、自動選別・再資源化することができます。この横須賀工場をモデルケースとして、廃プラスチックの処理を焼却・熱回収に頼る国内各エリアや、家庭におけるプラスチック分別の仕組みが未発達な海外エリアに対しても、リサイクルシステム構築の解決策として本スキームを展開していく計画です。
参考:LIMEX事業とは|株式会社TBM
SDGsの観点から、持続可能な社会に向けて個人だけでなく企業でも取り組むことが当たり前になっている昨今。循環型社会を目指して作られているLIMEXは地球に配慮した製品だと言えます。
LIMEXを選びたい理由は?
LIMEXが環境に配慮した点はお分かりいただけたかと思います。
でも環境に配慮した用紙は様々ありますよね。ここでは「LIMEX」を選びたいと思う決定的な理由をお伝えします!
それは、『環境負荷削減数値の可視化』ができる点です!
用紙の場合はLIMEX Sheetとなり、水削減量の数値を計算することができます。
今回、当社がLIMEX Sheetで印刷した印刷物の水削減量を計算したものがこちら!
※通常の用紙製造時にかかる水の量と比較
100×148mmと小さなサイズの印刷物でしたが、数値化されるとこんなにも水削減に貢献できたんだ!という実感がわいてきました。
この数値は実際の印刷物に明記することがおすすめです。
印刷物に明記することで手に渡った方への環境を考えるきっかけを与えることができるので、SDGsの普及にもつなげられるのではないでしょうか?
豆知識:ストーンペーパーとLIMEXの違いは?
次に、混乱しやすい 「ストーンペーパーとLIMEXの違い」についてお伝えします。(※印刷は全くの初心者!という方も、豆知識としてご覧いただけます)
長く印刷製造に関わっている方のお話を聞くと、LIMEXとストーンペーパーを一緒だと勘違いされている方もいらっしゃるようです。LIMEXとストーンペーパーは全く違うものなのです。
まず、ストーンペーパーとは1990年代に台湾の企業である「台灣龍盟科技股有限公司」が開発し、製品化された用紙です。
このストーンペーパーの原料もLIMEXと同じ石灰石です。
しかし、「素材が重く、価格は高く、品質も不安定」というデメリットがあり、実は印刷会社でも懸念されやすい用紙で、なかなか日本では浸透が継続しませんでした。
そこで、「これらのデメリットを何とか払拭できないか」と目を付けた株式会社TBM社が独自の技術を用いて開発を重ね、生まれたのがLIMEXです。
★詳しくはTBM様公式サイトの創設ストーリーをぜひ一度読んでみてください。
台湾のストーンペーパーとLIMEXの関係性や開発秘話が記載されています。
参考:創設ストーリー|株式会社TBM
よって、大きな違いとしては、
・ストーンペーパーは 「台湾製」
・LIMEX Sheetは 「日本製」 ということ
また、作っている企業が違います。品質や製造方法含めて、全くの別物と認識しましょう!
LIMEX製品を処分する際の方法は?
LIMEX製品は可燃となります。
誤って、古紙回収に混ぜないようにすることに注意しなくてはなりません。
廃棄する場合は、お住まいの自治体のルールに従い処理することが必要です。
参考:一般消費者がLIMEX製品の処分をする際の方法を教えてください。|株式会社TBM
また、事業者や企業がLIMEX製品を廃棄する場合は「産業廃棄物」となります。
参考:事業者がLIMEX製品を処分する際の方法を教えてください。|株式会社TBM
LIMEXで製品を作る場合は、一般消費者の方がLIMEXか紙か見分けがつかない場合もありますので、製品に「廃棄方法」まで記載することも良いかもしれません。
LIMEX製品のリサイクル方法は?
LIMEXをただ使うだけでなくもっと、循環型社会の実現を目指したいという方には、株式会社TBM様が運営するサービス「MaaR for business」を採用することがおススメです。※オフィス等事業者向け限定。
★詳しくは下記のサイトよりご覧ください。
オフィスの資源循環|MaaR for business
また、先ほど述べたようにLIMEXは「製造時に水の使用量を約97%削減」しています。地球の資源の保全にもしっかり配慮して作られているので、製造時の環境負荷を減らしているとも言えます。
単に「環境に優しそうだから」と使うのではなく、ぜひ、「どういう部分で環境に貢献しているか」までチェックしてみてくださいね!
LIMEX Sheetを活用したおすすめ商品は?
LIMEXで製品を作る場合は、「何度も繰り返す・または長期間に渡って利用・保管できる」製品におススメです。
特におすすめとしては、【自治体様向け】防災時に使える「ハザードマップ」での活用です!
LIMEXは耐水性・耐久性があるので、万が一の防災時にも破れにくく濡れても問題ありません。
そんな利便性に加え、LIMEXを使うことで環境貢献もアピールでき、市民へのSDGsの意識付けにもなるのでしょうか?
他にも、
・長期間保管ができる「カタログ、製品説明書」
・1年程使用する前提の「カレンダー」
・飲食店など何度も見返すことができる「メニュー表」
・ノベルティとして繰り返し使える「ブックカバー」
などにもおすすめですよ。
LIMEX Sheetから生み出された製品がどのくらい使われるのか、手に渡る方の活用方法を考えた上で、LIMEX Sheetにするか、環境に配慮された別の用紙にするかを検討してみてくださいね。
LIMEXや環境に配慮された用紙を選んで使ってみませんか?
・環境に配慮された用紙には「FSC®認証紙」
・インキでは「ベジタブルインキ」「バイオマスインキ」
・印刷機では「水なし印刷機」
・貧困問題や雇用など人権に配慮した用紙には「バナナペーパー」
など、様々な面で地球に優しい紙や印刷方法があります。
LIMEXもその一つであり、「循環型社会」や「持続のある資源の活用」という面で特に配慮された素材となります。
ぜひ、何か印刷物を作る時は、その事業や商品のコンセプト、自社の企業の特徴、使用用途などから照らし合わせて合う素材を選んでみてください。
用紙や印刷方法が決まっていなくても、「環境に対応できる印刷を希望」とお伝えいただければ、専門担当が配布したいシーンやターゲット、予算・コスト等を詳しくヒアリングし、おすすめの用紙・印刷方法ご提案させていただきます。
ご相談・及びお見積りは、ぜひお気軽に下記お見積りフォームやお電話でお問い合わせください!
※こちらのコラム内のLIMEXについては株式会社TBM様の監修を受けて掲載しています。
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