【フードロスペーパー】米を使った紙「kome-kami」で日本酒テイスティングシートを印刷した話
2023.06.29
以前のコラム「奈良酒を世界に広めるために、シンガポールへ行ってきた話。」でもご紹介した通り、高速オフセットではただいま奈良の日本酒を海外に販売する事業を行っています。
シンガポール現地で日本酒をテイスティングしてもらう際、奈良の雰囲気や日本酒の魅力をもっと伝えるために何かできないか?と考え、このたび日本酒テイスティングシートを作りました。
それがこちら!
真ん中の〇のところに日本酒のグラスを置いてもらいます。1.2.3の部分には手書きで日本酒の銘柄を入れる想定。
実は、この日本酒テイスティングシートは、「kome-kami(コメカミ)」という用紙を使っています。
kome-kami…
そうです。コメという名前の通り、「お米を使った紙」なのです!
見た目はラフ、触ってみるとちょっぴりしっとりとした質感で、落ち着く風合い。
やや黄身がかった優しい白色は、紙なのに、どことなくお米を思わせる用紙です。
「日本酒テイスティングシートを作るならこの用紙がいいんじゃない?」と、社内の営業さんが提案してくれました。
とっても素敵な用紙なので、今回のコラムではもう少しkome-kamiの魅力を掘り下げてご紹介しちゃいます!
kome-kami(コメカミ)とは
kome-kamiは、フードロスペーパーとして開発された用紙。
原料に「食べられなくなったお米」が使われています。
例えば、
- ・食用に適さない古米
- ・備蓄用に使われていたアルファ米で、廃棄予定の米
- ・メーカーなどで発生する破砕米(酒蔵などで出るお米の削りかすなど)
- ・流通段階などで食用として使えなくなってしまった米
などが使われ、紙として生まれ変わるのだそうです。
私がこの「kome-kami」を最初に見たときに抱いた第一印象は、「なんだかあたたかくて、優しい紙だな」でした。
触ってみると、さらさら、しっとり、ちょっぴりつるっともしていたり。
紙の表現ってうまく言葉では表しづらいですが、とても手になじみやすい印象を受けました。
「お米でできた紙」ということを理解してから改めて触ると、うん、確かにお米っぽい。
手になじみやすいのも、私たちが普段からお米になじみがあるからでしょうか。
kome-kamiさんの公式サイトによると、日本の食品ロスは年間634万トンもあるそう。フードバンクでは食品ロスが出ないよう、食材を集めて生活困窮者などへ支援されているそうですが、それでもどこかでロスが発生してしまいます。
kome-kamiさんでは、売上の1%をフードバンクに寄付しているそう。
ロスとなったお米が紙に生まれ変わり、誰かの手に渡り、用紙の売り上げがフードバンクに還元される。
印刷を主軸とする当社にとっても、とても嬉しいアイデアだな、と感じました。
※参考:【公式】kome-kami 商品ページ
kome-kamiで印刷してみた感想
改めてになりますが、今回kome-kamiで印刷したところ、きれいにインクがのり、文字やイラストのにじみも全くありませんでした。
そして、今回の日本酒テイスティングシートでは、ちょっぴり遊び心を入れてみました。
写真だとなかなかわかりづらいのですが、きらっと模様が光っているのが見えますでしょうか。
ホワイトトナーで模様をいれています。光が当たると、さりげなくきらっとします。
日本酒を試飲するシーンはきっと室内で、照明の下かなと思い、こういった遊び心を入れてみました。(ホワイトトナーを入れる案も、当社営業さんからのアイデアです!)
kome-kamiでおすすめの印刷商品
名刺・ポストカード・リーフレット
先ほどのテイスティングシートは135㎏の紙厚で作っています。
しっかりとしているので、手渡しのシーンにおすすめ。
名刺もサンプルとして印刷したことがあるのですが、写真もばっちりきれいに見えますよ。
温かみのある用紙の質感を出すのももちろんいいですが、ホワイトトナーとの相性がいいのもこの紙の特徴。
全面にホワイトトナーを印刷してみました。角度によって、模様が浮かび上がります。
ランチョンマット、ノートの中身に
薄い紙厚は90kgがあります。用紙の風合いがとってもすてきで、書き心地も良いので、例えばノートにも活用できそう。
使い捨てであれば、ランチョンマットとして敷くのもおもしろいかもしれません。
ちなみに、日本酒テイスティングシートは高級感も出したかったので、やや厚めの紙厚にしています。
(印刷物を作る際、もし用紙の紙厚で迷ったら、ぜひ印刷営業さんにおすすめを聞いてみてくださいね!)
kome-kamiはSDGsにも貢献!
kome-kamiを使うことで、下記3つのSDGsに貢献ができます。
12.つくる責任 つかう責任
食べられなくなったお米が紙製品として再活用され、循環型社会をつくることに貢献。
13.気候変動に具体的な対策を
災害用備蓄米が紙製品に再活用されるので、パルプ使用量が削減される。
14.海の豊かさを守ろう
プラスチック製品を紙製品に代替することで、プラスチック使用量が削減される。
資源を「使わない」という選択肢ではなく、選んで使う。そして、アイデアで未来を変えていく。
kome-kamiがもつ「どこか優しくてあたたかな風合い」が、手に取る方にも伝わればいいなと思いました。
印刷した奈良酒テイスティングシートは、さっそくシンガポールに発送しています。
日本のお米、そして紙が海外で活躍するなんて、なんだかワクワクしますね!
kome-kamiを使った印刷物のお問合せ
kome-kamiで印刷したい!というご希望があれば、ぜひお気軽に当社サービスお問い合わせフォームをご利用ください。
また、無料でSDGs・環境配慮用紙のサンプルも郵送しています。(kome-kamiも入っています!)
当社にご相談やお見積りをいただける前提で企業様にお配りしているものにはなりますが、前向きにSDGs・環境配慮用紙をご検討であれば、ぜひご活用ください。
※用紙に限りがありますので、同業他社様、個人様からのお申し込みは現在ご遠慮いただいております。あらかじめご了承ください。
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