「伝えたい」を伝わる形に。 株式会社高速オフセット

高級感のある用紙 ヴァンヌーボについて研究してみた

2023.02.14

高速オフセットでお取り扱いしている用紙は数えられないほど・・・。
前回のコラムでカラーバリエーションの多いマーメイド紙についてご紹介しました。

私たちは日々、お客様から様々な用紙相談を受けます。
この前であれば、
「パンフレットを作りたいんだけど、掲載する商品が高級なので用紙も高級にしたいんだよね、何かおすすめの用紙ある?」と相談をいただきました。

そんな時にぱっと思いつくのが、ヴァンヌーボという特殊紙です。
※特殊紙…特殊な加工を施した用紙。

ヴァンヌーボは特殊紙の中でも使用量が市場で比較的多いことから、印刷会社としてもおすすめしやすい用紙になっているんですよ。

そのヴァンヌーボ・・・実は5種類もあるんです!・・・この5種類の区別をつけるのが意外と難しい。
今回は高級感のある用紙「ヴァンヌーボ」のそれぞれの特徴と、印刷物に合うヴァンヌーボ用紙を改めて研究してみましたのでお伝えします!

ヴァンヌーボの特徴は?

ヴァンヌーボの特徴は何と言っても、紙の質感や風合いを感じられること。それに加え、印刷適正も高い点です。

▼ヴァンヌーボ
ヴァンヌーボ紙 5種類

デザイナー・建築家 矢萩喜從郎氏(1952-)の監修のもと1994年に誕生したヴァンヌーボシリーズは、印刷適性と紙の風合いという相反する性質を高いレベルで両立させた高級印刷用紙のファインペーパーです。
豊かな風合いをもち、中に空気を多く含むために軽くてかさ高な特徴をもち、厚くて軽い書籍をつくることができます。
また、印刷インキの重ね具合によって豊かで微妙なニュアンスの光沢が出るために、表情豊かな印刷物に仕上げることができます。
引用:ヴァンヌーボ|紙を選ぶ|竹尾 TAKEO

 

先ほど印刷適正が高いとお伝えしましたが、「印刷適正ってなに?」て思われた方もいると思います。

ここからは印刷会社目線で少しお話させていただきますね♪
「特殊紙」という用紙の中にはインキが乾きにくいものがあります。特殊紙は通常の用紙と比べて表面にコーティングが多い分、インキが紙に浸透しにくい性質があるんです。

そのため、濃度が濃い絵柄や、印刷範囲が多い絵柄であれば、インキを乾かすために納期を通常より多くもらったり、表面にニス加工を行ったりします。

もちろん、ヴァンヌーボも特殊紙なので多少の乾きにくさはありますが、印刷適正に配慮して製造されていることから他の特殊紙より印刷適正が優れています。ですので、ニス加工や納期をいただくことで対処できることも多いのです。

本当に、「ヴァンヌーボは優秀だなぁ・・・」って、しみじみ思います。

ヴァンヌーボ用紙5種の質感を研究してみた

ヴァンヌーボには下記の5つの用紙の種類があります。

・ヴァンヌーボV-FS
・ヴァンヌーボVG-FS
・ヴァンヌーボVM-FS
・ヴァンヌーボF-FS
・ヴァンヌーボ スムース-FS

この5種類で、触った時に風合いのあるざらざら感(マット感)と、つやっと感(光沢感)でグラフにしてみたらこんな感じ!

ヴァンヌーボ紙 紙の質感を比較

【所感】
「ヴァンヌーボ スムースFS」の光沢感は他と比べると、明らかにつやっとしていて光沢感を感じます。しかし、それ以外は本当に深い風合いのある質感。一般の方で手に渡った時には正直区別が付けられないのでは?と思うような感じでした。

では、スムースFS以外の用紙はどのような違いがあるのでしょうか?
「紙の厚みのバリエーションの違い」で比較してみることにしました。

ヴァンヌーボ 用紙「質感×紙の厚さのバリエーション」で研究してみた

一番、紙の厚みのバリエーション多い用紙は、「ヴァンヌーボV-FS」でした。

ヴァンヌーボV-FS
ヴァンヌーボV-FS 紙見本

一番薄いものは「四六判105㎏」と冊子などにも適している厚み。一番厚いものは、「四六判275㎏」と、ポストカードやパッケージなどにも使える厚みでした。種類が豊富なので、ヴァンヌーボの中でもベーシックな種類と考えて良さそうですね。

次に「ヴァンヌーボ V-FS」を基準とし、各用紙の質感と紙の厚みを掛け合わせて比べてみました。

ヴァンヌーボ紙 各用紙の質感と紙の厚みで比較表

少しこの図を見るとややこしいのですが、ヴァンヌーボ用紙を選ぶ時は「何ページ、何サイズ」の印刷物を作成したいかの仕様からまずは考えてみることが良さそうです。

例えば・・・

パターン1:A5サイズの32P中綴じ冊子を印刷したい場合
32Pとページ数が多い場合は、用紙が厚すぎると綴じができにくいです。
できるだけ、110㎏以下の厚みをおすすめしたいので「ヴァンヌーボVM-FS」での対応は難しそう。
なので、この場合は「ヴァンヌーボVM-FS」以外を選ぶのがよさそうです。あとは、実際に用紙を触って質感を決めてみてください。

パターン2:一般的な名刺よりも厚く、できるだけ厚い用紙で印刷したい場合
この場合は、四六判275㎏まで厚みのある「ヴァンヌーボV-FS」がよさそうです。

といったように、作りたい印刷物と、用紙の質感を照らし合わせながら自社の作りたい印刷物のイメージに近づけていくのはいかがでしょうか?

ヴァンヌーボ用紙の用途は?

ヴァンヌーボは、主に高級感を出したい印刷物におすすめです。

高速オフセットでは、
・結婚式場、不動産などの高単価商品のパンフレット
・会社案内
・ポストカード、DM
・年賀状
・挨拶状
・名刺
などで引き合いがありますよ。

用紙選びのご提案からご相談ください

まずは印刷物にどんな商品を掲載するのか、どんなイメージの冊子にしたいのかを教えてください。

・やさしい質感
・高級な質感
・かっこいい質感 などなど。

イメージを教えていただければ、そのイメージにあった用紙を一緒に高速オフセット営業担当と用紙を見ていただきながら選定の相談をお手伝いいたします。
ぜひ、ヴァンヌーボを使ってみたいな。と思った方はご希望用紙の一つに加えてみてください。

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